『blow』の使い方をリンカーン弁護士から学ぼう

海外ドラマ

 「『blow』っていろいろな意味があるけど、日常生活ではどう使えばいいの?」

 英会話を学んでいると、よく耳にするフレーズや単語の中には、日本語では馴染みのない使い方がされているものがたくさんあります。例えば、「blow」。

 「blow」って「しくじる」という意味でも使われることをご存じでしたか?一見すると「吹く」や「爆発させる」などの意味が強いですが、口語的には全く異なるニュアンスを持つことがあります。
今回は「blow」が「しくじる」意味で使われた場面を紹介し、その使い方や他のフレーズとの違いについて詳しく解説していきます。

 今回の例は、Netflixドラマ『The Lincoln Lawyer(リンカーン弁護士)』のシーンからピックアップしました!

 ※本記事ではこの先、ドラマの内容に触れますので、まだご覧になっていない方はご注意ください!

フレーズが使われた場面を紹介。

 『The Lincoln Lawyer(リンカーン弁護士)』のシーズン1、エピソード1からのシーンを見てみましょう。主人公のミッキー・ハラーは面識がない判事から急に呼び出されてしまいます。判事と会う直前、ミッキーは助手のローナと会話をします。

 ローナは「判事に呼びされるということは、仕事をくれるのかも」と少し期待をしていました。そんな期待感を抱いているローナに対して、ミッキーは少し焦り気味にこう言います。

「You don’t want me to blow it.」

 このセリフは「俺にしくじってほしくないだろ?」といった意味です。ここでの「blow it」は、重要なチャンスや決定的な場面を「台無しにする」ことを指していて、ミッキーはこの一言で自分にかかるプレッシャーを示しています。

フレーズの解説

「blow」が「しくじる」という意味になる理由は、語源をさかのぼると、元々の「吹く」や「飛ばす」という意味が比喩的に「何かを失敗させる」「台無しにする」といったニュアンスに転じたと考えられています。

 特に、強い風が何かを吹き飛ばして混乱させたり、コントロールを失ったりする様子がイメージされます。そこから、「チャンスを台無しにする」や「期待を裏切る」といった意味が派生しました。

 この表現はスポーツや試験、仕事など、プレッシャーのかかる場面で使われ、重要な場面で失敗したり、期待通りにいかなかったりする状況を指します。たとえば、決定的な場面でのミスや、成功すべき場面での失敗が「blow」と表現されることも。

他のフレーズもご紹介

「しくじる・失敗する」という意味を持つ英単語を、いくつか紹介します。

1. fail

「fail」は失敗するという意味で最も一般的な動詞です。「I failed the test.」は、単にテストに落ちたことを意味しますが、感情的なニュアンスはそれほど強くありません。状況を客観的に述べる表現です。

例文

“I studied hard, but I still failed the exam.”
(一生懸命勉強したのに、それでも試験に落ちてしまった。)

2. mess up

「やらかす」「台無しにする」というカジュアルな表現です。例えば、「I messed up the meeting.」というと、何かを間違えたり、問題を引き起こしたりしたことを指します。「blow」よりも軽い失敗を示すことが多いです。

例文

“I completely messed up my speech at the conference.”
(会議でのスピーチ、完全にやらかしてしまった。)

3. screw up

こちらも「やらかす」「大失敗する」という意味ですが、より強い感情を込めた表現です。「I screwed up the project.」はかなり重大な失敗を示すので、使う場面には注意が必要です。

例文

“I screwed up the project by missing the deadline.”
(締め切りを逃して、プロジェクトを大失敗させてしまった。)

具体的なフレーズ使用法

 では、「blow」の使い方について、いくつかの例で確認してみましょう。

<Example 1>

トニー君
トニー君

How did the presentation go with the new client?

新しいクライエントとのプレゼン、どうやった?

ともごり君
ともごり君

It was a disaster… I totally blew it. I forgot the key points and couldn’t answer their questions properly.

もう最悪だった…完全にしくじったわ。重要なポイントを忘れて、しかも質問にもちゃんと答えられへんかった……

トニー君
トニー君

Oh no, that sounds rough. But you’ll get another chance to fix it.

それは大変やったなぁ。でも、また挽回のチャンスはあるよ。

<Example 2>

トニー君
トニー君

Did you ask Mizuki out?

みずきをデートに誘ったん?

ともごり君
ともごり君

I had the perfect moment, but I blew it. I got too nervous and couldn’t say a word.

絶好のタイミングがあったのに、しくじったわー。緊張しすぎて一言も言えへんかった。

トニー君
トニー君

Don’t worry, there will be other chances!

心配すんなって。 またチャンスはあるよ!

まとめ

 今回は「blow」について解説しました。英単語を勉強する時は、その単語がもつ別の意味や、語源を理解することも重要です。

 以下の記事では「『邪魔をする』という意味を持つ”interrupt・interfere”のニュアンスの違い」について解説しているので、こちらの記事もぜひ併せて読んでみてくださいね!

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